子どもの夜尿症・おねしょの相談
- 2026年11月6日
- 小児科全般
何歳から相談できる?おねしょの受診の目安
「小学生になってもおねしょが続いている」
「何歳までおねしょが続いたら病院に相談した方がいい?」
「毎晩のようにおねしょをするけれど、何か病気が隠れていないか心配」
このようなお悩みをお持ちの保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どものおねしょは珍しいことではなく、成長とともに自然にみられなくなることも多くあります。一方で、一定の年齢になってもおねしょが続く場合には「夜尿症」として、生活習慣の見直しや治療を検討することがあります。
夜尿症は、しつけの問題やお子さまの努力不足によって起こるものではありません。
ここでは、子どもの夜尿症(おねしょ)は何歳まで様子を見てよいのか、原因や家庭でできる対策、病院を受診する目安、治療方法についてご説明します。
夜尿症(おねしょ)とは
小さなお子さまのおねしょは、成長過程でよくみられるものです。
一般的に夜尿症とは、5歳以上のお子さまで、寝ている間のおねしょが月1回以上あり、それが3か月以上続いている状態をいいます。
幼児期のおねしょは必ずしも病気ではありません。膀胱の発達や睡眠中につくられる尿量を調節する機能などが成長途中であるため、寝ている間におしっこをしてしまうことがあります。
そのため、「おねしょ=すぐに治療が必要」というわけではありません。
ただし、5~6歳を過ぎても頻繁におねしょが続いている場合や、小学生になってもおねしょが続いて本人やご家族が困っている場合には、一度小児科へ相談してみてもよいでしょう。
おねしょは何歳までなら大丈夫?
おねしょが何歳まで続くかには個人差があります。
子どもの成長に伴って自然におねしょがなくなっていくケースも多いため、幼児期のおねしょについて必要以上に心配する必要はありません。
一方で、5歳以上になっても定期的におねしょが続く場合は「夜尿症」に該当する可能性があります。
特に小学生になると、学校行事やお泊まり、旅行などによって、おねしょがお子さま自身の悩みになることもあります。年齢だけで「治療する・しない」を判断するのではなく、
- おねしょの頻度
- どのくらいの期間続いているか
- 昼間のお漏らしがないか
- 便秘など他の症状がないか
- お子さま本人がどの程度困っているか
などを踏まえて考えることが大切です。
夜尿症(おねしょ)の原因
「なぜうちの子だけおねしょが治らないのだろう」と心配される保護者の方もいらっしゃいます。夜尿症にはさまざまな要因が関係しますが、主に「夜間につくられる尿の量」「膀胱にためられる尿の量」「睡眠中に尿意を感じて目覚める機能」などが関係しています。
①寝ている間につくられる尿の量
私たちの身体には、寝ている間につくられる尿の量を調整する仕組みがあります。
この仕組みがまだ十分に発達していない場合、夜間につくられる尿量が多くなり、膀胱にためられる量を超えておねしょにつながることがあります。
②膀胱にためられる尿の量
子どもの膀胱は身体の成長とともに発達していきます。
膀胱にためられる尿の量がまだ少ない場合には、一晩分の尿を朝までためておくことが難しく、おねしょにつながることがあります。
③尿意で目覚めることができない
お子さまは睡眠中、膀胱に尿がたまっても、その尿意を感じて起きられないことがあります。
これらの要因が一つだけではなく、複数組み合わさって夜尿症が起こっていることもあります。
夜尿症には「一次性」と「二次性」があります
夜尿症は、大きく「一次性夜尿症」と「二次性夜尿症」に分けられます。
一次性夜尿症
小さい頃から継続しておねしょがあり、おねしょをしなかった期間が6か月未満の場合です。子どもの夜尿症では、この一次性夜尿症が多くみられます。
二次性夜尿症
6か月以上おねしょがない期間があった後に、再びおねしょが始まった状態です。生活環境の変化や心理的な負担が関係することもありますが、身体の病気が隠れていないかを確認することも大切です。
再びおねしょが始まった場合は、小児科へご相談ください。とくに、急に水をたくさん飲むようになった、尿の量が増えた、体重が減ったなどの変化がある場合は、早めに受診してください。
夜尿症は病院に行った方がいい?
「おねしょくらいで病院に行っていいの?」と迷われる保護者の方もいらっしゃいます。
5歳を過ぎても頻繁におねしょが続いている場合や、小学生になってもおねしょが続いて本人が悩んでいる場合には、一度医療機関へ相談してみてもよいでしょう。
特に、
- 小学生になっても頻繁におねしょが続いている
- おねしょの回数が多い
- 本人がおねしょを気にしている
- 学校の宿泊行事などを心配している
- 昼間にもお漏らしをする
- おしっこの回数が極端に多い
- 排尿時に痛みなどがある
- 便秘など他の症状がある
- 半年以上おねしょがなかったのに再び始まった
といった場合には、一度ご相談ください。
夜尿症の背景に他の疾患や排尿に関する問題がないか確認することも大切です。
夜尿症(おねしょ)の診察・検査
受診された場合、まず問診によって、
- おねしょの頻度
- いつ頃から続いているか
- おねしょをしなかった期間があるか
- 昼間のお漏らしの有無
- 排尿の回数
- 水分摂取の状況
- 便秘などの症状
などを確認します。必要に応じて検査などを行い、お子さまの夜尿症の状態や原因を考えていきます。
「病院に行ったらすぐに薬を飲まなければならない」というわけではなく、まず現在の状態を確認するところから始めます。
夜尿症(おねしょ)の治療
夜尿症の治療では、まず問診によっておねしょの頻度や生活習慣、排尿の状態などを確認します。
治療の基本となるのは生活改善です。規則正しい生活リズムを繰り返すことが夜尿症の治療では大切です。特に寝る前の水分の摂りすぎに注意したり、トイレへ行くタイミングを整えたりすることで、夜間の排尿をコントロールしていきます。生活改善だけで十分な効果が得られない場合などには、お子さまの状態に応じて薬物療法やアラーム療法などを検討します。
薬による夜尿症の治療
必要に応じて、寝ている間につくられる尿の量を抑える薬を使用することがあります。
薬を使用するかどうかは、おねしょの頻度や原因、お子さまの状態などを確認したうえで判断します。
アラーム療法
アラーム療法は、おねしょをセンサーが感知するとアラームが鳴る装置を使って行う治療方法です。治療開始当初はアラームが鳴ってもお子さま自身では起きられないこともあるため、保護者の方に協力していただき、お子さまを起こしてトイレまで連れて行き、排尿を促すことがあります。
継続することで、お子さま自身が尿意を感じて目覚めたり、朝まで尿をためられるようになることを目指します。
効果がみられるまでには個人差があり、一定期間継続して取り組む必要があります。ご家族にも協力していただきながら、焦らず治療を続けていきます。
家庭でできるおねしょ・夜尿症の対策
夜尿症の治療では、まず規則正しい生活を続けることが大切です。
規則正しい生活を心がける
起床時間や就寝時間、食事の時間などをできるだけ整え、規則正しい生活リズムをつくりましょう。毎日の生活リズムを整えることが夜尿症対策の基本になります。
寝る前の水分摂取に注意する
日中に必要な水分まで過度に制限する必要はありませんが、就寝前に大量の水分を摂ると、睡眠中につくられる尿の量が増えることがあります。
水分摂取の方法については、お子さまの状態や季節などによっても異なるため、治療を行う場合は医師の指示に従いましょう。
寝る前にトイレへ行く
就寝前にトイレへ行き、排尿する習慣をつけることも大切です。
毎日決まった生活習慣を繰り返していきましょう。
おねしょを叱らない
おねしょは、お子さまがわざとしているものではありません。
叱ったり、兄弟姉妹と比較したりすることで、お子さまの精神的な負担が大きくなることがあります。
おねしょをしなかった日に過度なプレッシャーをかけるのではなく、焦らず取り組んでいくことが大切です。
おねしょ対策に防水シーツを使用しても大丈夫?
毎日のおねしょが続くと、シーツや布団の洗濯など、ご家族の負担も大きくなります。
防水シーツやおねしょ用のシーツなどを利用して、寝具への汚れを防ぐことも一つの方法です。
夜尿症の対策では、治療だけでなく、お子さまとご家族がおねしょによるストレスをできるだけ感じずに生活できる環境を整えることも大切です。
夜尿症(おねしょ)についてよくある質問
Q おねしょは何歳までなら大丈夫ですか?
A 幼児期のおねしょは珍しいことではありません。一般的には5歳以上で月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合を夜尿症といいます。ただし、5歳になったからすぐに治療が必要というわけではありません。頻度や本人の困りごとなども含めて判断します。
Q 小学生になってもおねしょするのはおかしいですか?
A 小学生になっても夜尿症が続いているお子さまはいらっしゃいます。お子さま本人が気にしている場合や、宿泊行事などが心配な場合には、小児科へご相談ください。
Q おねしょは親のしつけが原因ですか?
A 夜尿症は、膀胱の発達や夜間につくられる尿の量、睡眠中に尿意で目覚める機能などが関係しており、保護者の方のしつけが原因ではありません。
Q おねしょをしたら叱った方がいいですか?
A おねしょはお子さま自身が意図的にしているわけではありません。叱ることで精神的な負担につながることがありますので、焦らず見守ってあげましょう。
Q 夜中に起こしてトイレへ行った方がいいですか?
A おねしょを防ぐために、毎晩決まった時刻に起こすことは、通常は勧めていません。お子さまの睡眠を大切にしましょう。夜尿症が続いて心配な場合には一度医師へご相談ください。
Q 夜尿症は自然に治りますか?
A 成長に伴って自然におねしょがなくなっていくお子さまも多くいます。一方で、小学生以降まで続く場合もあります。本人が悩んでいる場合や頻度が多い場合には、治療を検討することもできます。
Q 夜尿症は何科を受診すればいいですか?
A 子どもの夜尿症は小児科で相談できます。当院では、おねしょの頻度や昼間の排尿、便秘などについて確認し、お子さまに合わせて対応します。
お子さまの夜尿症(おねしょ)でお悩みの方へ
夜尿症(おねしょ)は、膀胱の成長や夜間につくられる尿の量、尿意で目覚める機能などさまざまな要因が関係しており、親御さんのしつけの問題ではありません。
「早くおねしょを卒業させなければ」と焦ったり、叱ったりすることで、お子さまに精神的な負担を与えてしまうことがあります。
また、夜尿症の原因には複数の要因が関係していることもあります。
「小学生になってもおねしょが続いている」
「毎日のようにおねしょをする」
「何歳まで様子を見ればいいのか分からない」
「宿泊行事までに何とかしたい」
など、夜尿症についてお悩みの方は、お気軽に加賀田小児科へご相談ください。